純情☆デビル

「いいよ……」


あきらめ半分で、猪俣――――…“正信”の頼みを受け入れた。


「ありがとう雫!!」


話しかけて来てから、ずっと笑顔を絶やさない正信。


こんなヤツが“アレ”にふさわしいのかもしれない。


「雫?」


いつの間にか心がどこかに飛んで行っていたオレの顔を、立っている正信が見下ろす。


「どうした?」


「別に……てかお前、なんでオレに喋りかけて来たワケ?」


授業が始まる時間が近づいて来たので、教科書類を机に出しながら聞いた。


「え?“なんで”って―――…」


「まーさーのーぶ!!」