純情☆デビル

目を軽く閉じ、思考を巡らす。


『関波君、おはよう!』


『この問題……教えて?』


『ありがとね!!』


悪魔なのに“邪”というものを全然知らない豊平の笑顔が、次々と蘇って来た。


オレ――――…こんなにアイツの笑った顔、覚えてたんだ………


いつからだった?


豊平の豊かな表情に、仕草に、いつの間にか癒される様になったのは。


「フッ……全自覚完了」


小さく呟き、目を開けた。


まだ仁王立ちの粋羅と、その両隣に浮いてるメルエフとエンリニタが、視界に入った。


ポケットに手を入れ、立ち上がる。