逃げたい……でも逃げちゃダメ。


2つの気持ちが葛藤中の私を見て、牧之原さんは更にニーッコリと笑いを足した。


一瞬背筋が凍る。


「アナタの様な落ちこぼれ悪魔をあの雫が相手にするワケ無いし、さっさと諦めてね豊平さん」


明るい言葉が、剣となって突き刺さった。


言い返したいのに、何も言えない自分が情けない。


「じゃ、私実行委員行くから、引っ込んでてね」


語尾に黒いハートを付けた牧之原さんは、メアリーちゃんと軽やかに立ち去って行った。


ヒャイヌ……私涙は流さなかったから


コレは褒めてね――――…