純情☆デビル

「ごめんごめん。そうだよな、こういう時オレ、名乗るべきだよな!!」


話しかけて来た男は気にもしてない様子で、あっけらかんとこう言った。


……は……?


普通初対面の人間にこんな風に言われたら、怒る―――よな?


何なんだコイツ…………


「オレ、猪俣 正信《いのまた まさのぶ》!!よろしくな関波君」


猪俣は自己紹介をし終えると、にこやかに右手を差し出して来た。


え?握手すんのかオレ!?


もはや教室にいる全員が、オレと猪俣のやり取りをジッと見ていた。


なんでこんな注目されなきゃいけないんだよ……