「ねぇねぇ豊平さん!!豊平さんってどこから来たの!?」


「家どの辺!?」


案の定、転校生の豊平の周りに皆が集まり出した。


いきなり囲まれて驚く豊平だったけど、数秒もしたら落ち着いたらしい。


「あ、○○町から来たの」


と、笑顔で返している。


「へーー、そうなんだ。あっ!私寺辺 早耶《てらべ さや》って言うの。よろしくね♪」


肩よりちょっと長い髪を2つに結んだ女子が、豊平にそう言ってるのが聞こえた。


「寺辺さん?」


「“早耶”でいいって!私も“亜遊”って呼んでいーい?」


「う、うん!」