人間界に人を不幸にしに来たハズが失敗ばかりで、ヒャイヌにガミガミ怒鳴られていた豊平。


陰から見ていたオレは笑いを耐えるのに必死だったのに、姿を現したらオレが怒られた。


どっちが早く一人前になれるか勝負して来る、変にナマイキな女としか思ってなかったのに――――…


オレ、コイツの言葉が、メチャクチャ嬉しかった。


安らぐ笑顔を、誰にも見せたくない。


―――――正信にも、粋羅にも。


「関波君どしたの?」


この時、どうして男の名前しか出てこなかったのかを理解するのに


そんなに時間はかからなかった。