「何もしなくていいよ、亜遊ちゃん。このままでいい」


粋羅君がニコッと笑って言った。


「だけど――――」


「君達は……“今の君達”のままで雫とつき合ってやってよ。アイツもその方がきっと喜ぶから」


この言葉が言い終わらない内に………外から足音が聞こえて来た。


「ワッ、関波君だ!」


新菜が叫び、皆大急ぎで元いた位置に戻る。


私もソファーに戻ろうとしたら、粋羅君にこう内緒話された。


「亜遊ちゃん、勝負の事は聞いてるけど、雫そんなに目の敵にしないでやってね?」


「…………うん」


扉が開いた。