上半身だけ起こしたオレの左手から緑色の光の玉が放たれ、粋羅とエンリニタの間の床に当たった。


シュウウウウ……と、緑色の煙があがる。


「オワ!何すんだよ雫っ!!」


「心臓飛び出る所だったぞ!」


「雫……」


冷や汗を流して文句を言う粋羅とエンリニタに、険しい表情のメルエフが加わった。


「―――雫、こういう時に“魔法”を使うのは「豊平だって使ったじゃんかよ!!」」


布団を頭まで被り、1人と2匹の言葉を完全にシャットアウトした。


粋羅はオレの天界の家のお隣さんで、唯一オレが“友達”と呼べる存在。