「えーーっと……ここでいいんだよね?」


住所が書かれた紙を頼りに、歩く事20分。


私は目の前にある大きな建物を見上げた。


「フーン………結構立派な建物じゃん」


1人そう呟き、門を開けて中に入ろうとしたけど――――…


「あっ、ちょっと君、何してるの!?」


いかにもマジメそうな警備員に呼び止められて、門に伸ばそうとしていた手を止めた。


「何って……」


「君…ここの生徒さん?」


警備員が私が着ている制服を見て、眉間にシワを寄せながら尋ねて来た。


「あーーー…ハイ、“転校生”なんですが……」