家に帰ると、あたしはすぐに大荷物を持って外に出た。 この家を売ろうか考えたけど、大きな家具や、何より仏壇があるから、売るのはやめた。 鍵をかけ、家に背を向け歩き出す。 道行く人達があたしを見る。 平日の真昼に大荷物を持った、見た目だけ不良の女子高生なんて見たことないよね…。 あたしは完全なる"家出少女"の気分。 このまま知らない町に行ってもよかったんだけど、どうしても最後に行きたいところがあった。 そこは……、 お兄ちゃんが眠ってる場所。