大切なキミへ。 短編集☆





お前はよく俺に
抱き着いてくる。

そのたびに、
俺はびっくりしてしまって
情けないけど、何も反応できなくて
頭が真っ白になる。

それからゆっくり
頬をお前の髪に寄せて、
右手でできる限り、
壊してしまわないように
優しく優しく頭をなでてやる。



…お前は盗み見てるつもりだろうが
全部知ってるからな。

俺の心臓に
耳を寄せて心音を聞いてから

ちらっと俺の真っ赤な頬を見て、
嬉しそうに
ぎゅっと少し強く抱き着いてくる。


そんなお前が愛しすぎて
俺の左手は言う事を聞かなくなって
強い力で、お前の折れそうな細い体を
抱きしめてしまうんだ。



右手はまだ理性を保ってて、
優しく撫で続けられる。




俺、すげえ不器用だ。