一泊遅れた言葉に首を傾げるけど、気にしない。腹痛も久しぶりに見る周防くんの姿で吹っ飛んでいった。 「久しぶり。」 「久しぶり、ごめん、遅くなって。 「ううん、気にしてないよ。」 黒いコートをまとった周防くんは笑う。私が隣に並ぶより先に、斜め掛けしていたボストンバックを持ってくれた。 「ありがとう。」 そういう周防くんの優しさが好き。 「緋睡、」 「なぁに?」 「かなり足、出してるな。」 ドキーっとして、静止。いきなり指摘されました桃葉ちゃん。