空を見上げる皇帝ペンギン。


なんか、本当にお父さんみたい。

大学では、三枝さんも含めて同学年の子も友達が出来た。でも、確かにそれを周防くんに言うことは少ない気がする。


「私達の一個上の三枝さんて人が居るんだけど、周防くんの話をしたら会いたいって言ってたよ。」

「それは是非とも。」

「うん。高校の時、剣道の大会で優勝したって聞いたけど。」


ジャガイモの皮を剥き始める。人参の皮を剥き終えた周防くんは、玉ねぎを切り始めた。

手際の良さに呆気に取られていると、ジャガイモが手から滑って溜めていた盥の中にポチャンと落ちる。