聞こえた声に、カラオケに来ている友達に電話をかけているんだと分かった。 「伝えてくれ。それと、部活が長引きそうだから今日は出席できない、ごめん。」 携帯をパタンと閉じる周防くん。 周防くんて、と口を開いた私に視線を向ける。同時にどこかの部屋から大きな笑い声が聞こえる。 「嘘吐くんだね。」 「嘘も方便だと、言うだろ?」 首を傾げて無邪気そうに笑う周防くんが、途轍もなく尊い人に見えた。 明日からクラスメートじゃなくなる有名人は、きっと今日一緒に居た私なんて忘れてしまうんだろう。