「紫暖と蒔田は婚約者同士で、来月結婚する。」 「ええっ。」 「紫暖は自分で言ってなかったか?」 首を横に振る。苦笑しながら周防くんは私の隣に座った。 その手にはミルク無しコーヒー。私はそれを貰って一口飲む。 「最初は蒔田を撮っていて、陸上繋がりで蒔田と仲が良くなった俺も中学の時から。」 「そういうことだったんだ。」 納得して、首を縦に振る。私は膝を抱いた。 だからすぐに蒔田さんに会ったことが紫暖さんに知れたんだ。 すごいなぁ…婚約者…。 二人は遠いものに感じる。