周防くんは「車で送っていく」とすごい言ったけど、私は電車のお金を貸して貰って電車で帰った。 帰り際、 「あのね、周防くん。」 「ん?」 「この前、スカートで来たのは、周防くんに見せたかったからだよ。」 言った途端、電車の扉が閉まった。周防くんが驚いた顔をしたまま固まっていた。 私は思わず笑って、手を振る。 大学では、桃葉ちゃんといつものように食堂に一緒に行く。 混み合っている時間帯に入ってしまったらしい。桃葉ちゃんが大きく手を上げる。