「寝ようか。」


提案をする周防くん。私は浅く頷いた。

テレビを消して、電気を消す。カーテンの隙間から月灯りが漏れる。

それが綺麗で、周防くんに背中を向けていると私の首の下を通った周防くんの腕が見えて、驚いた。もう片方の手は繋がれた。


「周防くん、今日いきなり押しかけてごめんね。」


振り返らずに言う。


「別にそれは良いけど、あそこで何時間も待ってる緋睡は想像したくないな。」

「どういうこと?」

「変な奴に連れ去られそうだ。」


その言葉を聞いて、昼間のことを思い出す。腹が立つような悲しいような。そんな感情が血になって巡って、心臓へ。