周防くんに密着した。電話を持つ右側が。 『当てられる自信あんだけど、俺。』 「…え?」 『今、彼氏隣に居んだろ。』 電話相手は、私の倍程勘が鋭い。 当てられて、言葉に詰まる。 「相手、」 その言葉が聞こえたのかもしれない。私は視線を周防くんに向ける。何故ならこんなに近いから。 「誰なんだ?」 これは勘が鋭いっていうより、あれなのかもしれない。 オスの勘。 周防くんは、少しだけ怒ってる。私が鍵をかけ忘れた時も怒ってなかった周防くんが。