言葉通り、周防くんはスリーポイントシュートを決めた。 …観客がざわめいて、私は分かったんだけど。 あんな遠い所からシュートを打てるなんてすごい。私と比べでも比にならないのは分かるけど、絶対に私には入らない。まずゴールに届かない。 試合は終了して、周防くんの着替えをちゃんと更衣室の前で待っている。今度は絶対に動かない、と学習した。急に人が近くを通ったから、避けようとするとその前に何かを差し出された。 「これ、あんたにやるよ。」 「え?」 「大事に取っとけ。高く売れっから。」