それを感じて、少しだけ答えるのを躊躇う。 笑顔で誤魔化そうとすると、何倍もの笑顔を見せられる。 「緋睡。」 後ろから声をかけられて振り向く。振り向かないでも分かる声なのだけれど。 ユニフォームに着替えた周防くんに、高校の時のことを思い出す。どこか幼い。 「周防くん。」 「草野、緋睡に何か用か?」 「何でもねーよ。じゃあまた試合でな。」 変わらずの笑顔を見せた草野さんは、私達の横を通り過ぎる。その背中を見ていると、周防くんの手が肩に乗って顔を見上げた。