[短編]不器用同士




「そぅなんだぁ…。」



由実が困っている姿は
可愛い。


…まるで、柚みたいだ。


「ッつ!!」



何でまた…あいつみたい
なんて思ったんだよ!!
何…考えてんだよ…。




「やっぱり由実ちゃんて
柚ちゃんにそっくりだね。」



まだ言うか蒼の野郎。



「マジやめろよ!!
全然、似てねーだろ!!」



蒼がその言葉を言うたびに 由実が泣きそうな顔をする。




「何でそんなに怒るの?
似てねーなら別にそんなにムキになることねーだろ。」


「…………。」



確かに蒼の言う通りだった。

よく見ると、由実は柚に
そっくり似ている。


でも別に似てるから好き
になったとかじゃない。


このままだと誤解される。



「…俺は…」



言おうとしたんだ。


たまたま好きになった
女が由実だった…って。


言おうとしたのに。




「大丈夫だよ紘斗。
紘斗が例え、柚ちゃんに
似てる私を好きになった
としても…私は紘斗が好きだもん。
紘斗が私のこと嫌いになっても
別れないからね?」





びっくりした。


朗らかで優しそうな由実
が無表情のまま…、


まるで悪魔に取り付かれ
たかのように…、


低い口調で俺に言ったから。