「笑って写真.撮れねーよ…。」
大きく深呼吸をして、
気持ちを落ち着かせる。
そして、
「柚…京都には行くな!!」
「なっ何言ってるの?」
柚と蒼は目を見開いて、
俺を見続ける。
「俺…柚のこと嫌いだ。
ウゼーし、キモいし。」
「おい、紘斗!!またお前…
柚ちゃんを傷つける気…」
「けど、柚が京都に行くって
言うなら…もっと嫌いになる」
蒼は俺と柚が喧嘩をしてしまわないように、俺たちの真ん中に入り込んで、息を潜める。
「意味が分からない!!
なんで急にそんなこと…。」
俺だって、びっくりしてるんだ。
何で柚を止めたのか、
何で柚を名前で呼んで
しまったのか。
「知らねぇーよ!!俺だって
…
知らねぇーよ…。」
「何なの?紘斗?
どうしちゃったわけ?」
やめろよ。
今の俺を見ないでくれ…。
きっと、
今の俺は女みてぇに
弱々しくなってる。
悔しさと、
初めて柚を名前で呼んだ
恥ずかしさが混ざり合って、
女々しくなってしまったんだ。