「俺とアイツは…
幼馴染みなんかじゃねーだろ。」




いつも喧嘩ばかりしている
俺と柚が幼馴染みなわけ
ねーだろうが。




「じゃあ、何なの?」


「え?」


「紘斗と柚ちゃんが幼馴染み
じゃないって言うなら、
じゃあ…何て言うの?」




俺と柚が幼馴染みじゃないなら…



「腐れ縁…だろ。」



これしかない。




「あぁ、そっかぁ。
紘斗と柚ちゃんは腐れ縁
なのか!!」



そこで納得してしまう蒼も
可笑しいと思うが…



本当のことだし、
何とも言えない。




「腐れ縁なんて最高じゃん!!」



勢いよく言ってくる蒼に、


「いや、腐ってる縁だぞ?
どー考えたって最悪だろ。」


俺は冷静に返す。



「紘斗、知らねーの?
腐れ縁は切っても離れ
ないんだぜ?」




……当たり前だろ。


腐れ縁て言うのは、


離れられないでだらだらと続く、好ましくない関係。



「知ってるけど?それって 最悪な関係だからね?」



腐れ縁のことをよくわかって
いなそうな蒼に、
俺はわかりやすく教えてやった。