卒業式の最中、


ずっと"後悔"について
振り返っていた。



だからかな。



卒業式が終わったことに
まったく気がつかなかった。





「おーい!!紘斗〜!!
写真撮ろうぜっ♪」




後ろからハイテンションで
駆け寄ってくる蒼。



「え!?…あぁ。撮るか。」



俺に元気がないのが
分かったのか、



「元気だせよ〜!!
俺に会えないのがそんなに
淋しいのかよ?」


「はぁ!?何だよそれ。
慰めになってねーよ!!」



やっぱり蒼は優しい。


どんなに辛くても、


蒼が元気付けてくれると

いつも辛いことを忘れて、腹を抱えながら笑ってしまう。



仕方ねーから撮ってやるよ!!
と言いながらピースをすると、



「んじゃ!!柚ちゃんもな♪」

「え?何で?アイツは別に
どうでもよくない?」




蒼の口から"柚ちゃんも"
という言葉が出て来たことに
驚いて、



とっさに空気を悪くさせて
しまった。




「紘斗はさ…柚ちゃんと
写真撮ったことないだろ?」



言われてみれば、


俺と柚で写真を撮ったことは

一度もない。



そりゃー…


嫌い嫌い言ってれば
一緒に撮りたいなんて
思わないだろうし。




「もう…柚ちゃんとなかなか
会えなくなるんだよ?
3人は幼馴染み…なのに。」




"幼馴染み"



蒼は俺たちをそう思って
いたのか。