小さい頃からー、
柚は嘘をつくと視線が
地面へと移る。
そして…
手で自分の服を掴んで
遊んでしまう癖がある。
「……何で嘘つくわけ?」
嘘をつかれた事に
腹が立って、
少し声が低くなって
しまった。
「…だって…。」
「だって何?」
今、俺の顔はきっと怖い。
さっきから、
柚がチラチラと俺の顔を見るが、
怯えては
また地面へと視線をずらす。
「……紘斗が離れたいって
言うからじゃん!!
だから…だから…
私から叶えてやろうと
思ったのよ!!」
これも嘘だ。
そう思いたかった。
けれど…、
今度は真っ直ぐに
俺の目を見て話したから。
嘘じゃないって、
一発でわかってしまった。