「ご、ごめんなさいっ…」 「和実ちゃんって呼んでもいい?」 和実ちゃんは、小さく頷いた。 「…ねぇ、お姉さんはなんで来てくれたの?」 「私も、和実ちゃんと同じでアレルギーあるから」 「嘘でしょ?」 「本当だよ?ほら、証拠」 中山さんが、和実ちゃんに見せたのはあの注射だった。 「注射…」 「和実ちゃんも持ってる?」 「…持ってる」 「ねっ?だから本当だよ」 和実ちゃんの笑顔を、この時初めて見た。