ライフ・フロム・ゼロ



そして、その直後、
ビーッと大きなブザー音が鳴り響いた。
周囲の人たちの視線が集まるのを感じる。

「「わっ!?」」


売り子さんと同時に声を上げてしまう。

心臓が早鐘を打つように鳴っていた。


おそるおそる売り子さん見ると、
目を見開いてモニタを見て硬直していた。


「あ、あの…その音」


たまらず声をかけると、
バッとこっちを見た。


「お…お客様」


売り子さんの声が震えている。


「え?はい…」


売り子さんは素早く周囲を見渡した。
さっきのブザー音もあって、売り場の
周囲にいた人たちが数人こちらを見ている。


「もう少し、近くまで…」