あんな男と結婚したから
不幸になってしまった、
お前を育てるのにいくらか
かったと思っているんだ、
私立大なんて行きやがって、
学費なんて払えない。
近所の目があるし、お前がいるから
離婚もできない、どうしてくれるんだ、
その他にもたくさんの恨みつらみを
ぶつけられた。
支離滅裂だとその時も思ったけれど、
親元を離れたばかりの、
それなりに家族想いだった
小娘にダメージを与えるのに
は充分すぎる言葉たちだった。
その時大学を辞めることや、
実家に戻り働くことを提案したが、
母は口の中で世間体が、とか
もごもごと言うばかりで、
しまいにはわんわん泣き出してしまい、
電話は切れた。
次の日電話がかかってきて、
やはり母はごめんね、ごめんね、と泣いた。
私はそれにどう返事をしたのか覚えていない。
大学は辞めなくてもいい、と言われた。
その代わり実家から援助はできないし、
学費も払えないらしい。
