ライフ・フロム・ゼロ



私は彼らに、何不自由ない、
とまではいかないが
普通に生活させてもらった。


公立の小中学校を出て、
県内で5本指に入るかどうか
という中途半端な
県立の進学校に進ませてもらった。


その間、成績はクラスで平均よりは上で、
少ないながらも友達はいて、
特に問題も起こさず、
いじめたりいじめられたりもせず、
よくも悪くも普通の、
地味な女子として学校生活を送った。


中学で一度、野球部のクラスメイト
に告白されてはじめて彼氏ができたが、
「つまんない」という理由でふられた。

高校の時も、同じ図書委員だった男子
に告白され、付き合ったが、いつの間にか
連絡をしなくなり、半年には彼に新しい
恋人ができたと知った。


二回ともそこまでダメージは受けなかったと思う。
きっと、あの頃私は恋愛などしていなかった。