その時視界に、ナカの席の端に置かれた ビニールをかぶせられた傘が目に入った。 透明の、コンビニ傘。 自分の席の端に置いた、 秘色の傘の柄を握り締める。 言葉が零れた。 「…傘、いつものじゃないね」 「あ、うん…出かけた先に忘れちゃって。 明日取りに行くんだ」 「出かけた、先」 「うん、そうだけど…?」