そしてサヤはたいてい私より早く来て、
一番奥の窓に面した席で待っているのだ。
入り口側に背中を向けて、
先にホットコーヒーだけを頼んで。


傘をたたんでから
ステンドグラスのはめこまれた
木製のドアを押すと、

カランカラン、
といつもと同じ音がした。



店主に会釈して奥を見ると、
いつもの席に、いつものように、サヤがいる。



そして私たちはいつもの会話をするのだ。