ライフ・フロム・ゼロ


お局様の後をついてミーティングルームに入ると、
課長と、となりのフロアの主任がいた。


「…お疲れ様です」


「ああ、中谷くん悪いね。
 とりあえずそこ、座って」

課長にうながされるまま、
椅子に腰掛ける。

お局様も私の向かいに座った。

主任が口を開く。


「わざわざごめんなさいね、
 ちょっと聞きたいことがあって…」


「いえ、私がお力になれることなら」


「いや、実は、樋口くんのことなんだけどね」


「樋口…樋口清香のことですか?」


「ああ、その樋口くんのことなんだけど、
 君たち学生時代から仲がよかったんだよね?」


「はい。サヤ…樋口さんとは親しい仲ですけど…」