手を上げたら止まってくれた タクシーに乗り込み、 ナカの家のすぐそばの コンビニまで行ってもらえるように告げた。 早く、ナカに会いたい。 縋るような気持ちだけが胸の中にある。 暖房の効いた車内でシートにもたれ、 窓ガラスに当たる雨粒を見つめながら、 私は夜の街を運ばれていった。