ライフ・フロム・ゼロ



駅から離れ、通り慣れた家への道を
歩いて帰る間も、体は震えたままだった。

ようやく家について、普段はしない
チェーンまでかけた。

そしてその直後、トイレに駆け込んで
思い切り吐いた。


朝からなにも食べていなかったから、
さっき飲んだコーヒーだけが出て、
それでも嘔吐感は収まらなかった。

便座に突っ伏したまま、
情けなく嘔吐を繰り返しながら、
私は泣いた。



自分でも泣いている理由はよくわからなかった。



トイレから這い出し、薄暗く狭い
部屋の真ん中で、一人うずくまる。