あいつの家に向かって、走ってた。


あいつの名前ばかり叫びながら、走りまくったのだ。


「椎っ!」


横断歩道の向こう側にいた。

あいつが、驚いた顔で。


私は、今すぐ飛びつかないといけないと思った。


必死に。