旧館の図書館という場所。
人がいないと思ったのに、物音がした。
まさか…………幽霊?
肩を強張らせて警戒していると
だんだん影が近づいてきて…
「涼月…?」
「え…お、大崎くん?」
幽霊……ではなく、
現れたのはイケメン大崎くん。
眠たそうな顔をしているから、
寝ていたのだろう。
「あ、お邪魔だった?」
「いや…別に」
大崎くんはクールな印象だった。
女子の黄色い声は呆れたようだったし、
かといって、“かっこいい”などと
話しかけてきた子にも無視はせず、
苦笑しながらも返事はする。
そして、さっきの授業では
あたしにルーズリーフをくれたのだ。
クールだけど、
優しい。すっごく。