AM7時45分。

少し肌寒い朝である。




「ひなたー、今日一緒に学校いこーぜ」

「あーはいはい」



そう言って2人、家を出た。



一緒に高校に

登校するのは初めての事。



自転車に跨る翔太に、

後ろに乗るよう言われた。



ちょこんっと横向きに座り、

翔太の服を摘む。



翔太の奴………華奢だと思ってたのに

意外と背中広いんだなぁ…


やっぱり男の子だ。




「ん?どーした、ひなた?」

「なんかあれだね…。こーゆー普通もいいなって。自転車に乗せてくれてるのが彼氏だったら尚更いいんだけど」

「あー?仕事に恋してるやつの言葉じゃねーなぁ。てか、今のままじゃ彼氏なんか出来ねえだろ」

「別に恋してないし!そりゃ、趣味を仕事にできてるんだから楽しいけど…。あと、彼氏出来るから!が、頑張れば……」

「ふーーん、ほーーおお?」



雑談をしながら、

ゆるい坂を下っていく自転車。



ふわりと風が頬を撫でる。

気持ちがいい。