…ああ、
高級車って背もたれ、
ボタンで倒れるんだー…
そしてふかふかだー…。
ほのかにあたしの好きな、
フルーティーな香水の香りがした。
「社長」
鈴木さんがあたしに話しかけてきた。
…相変わらず美人。
「新しい学校はどうです?翔太さんと同じ学校なんですよね」
「あー…。まさかの翔太の横ですよ。そして女子が怖かったです、睨まれて。」
苦笑いをしながら言ったあたしに、
「ふふっ…まさか睨んだ相手が、大人気ブランドの社長とは思わないでしょうね」
笑顔でそんな事をいう鈴木さん。
…まさにその通りだと思う。



