「涼月さんは―…空いてる席よね。じゃあ窓際の一番うしろの席ね」


「はあ!?意味分かんない!!なんでこんな女が翔太の横なの!?」

「そーだよ!おかしいじゃん!!」




ガターン!と女子生徒が、

次々に喧嘩腰な物言いで苦情を言い始める。


まあまあ頭の良い高校だとは思えない程の

態度の悪い女子生徒らである。

なんと品のないことだろうか。


先生は笑顔が恐怖で引きつっている。



でも、そうか…

その“翔太”クンはモテるんだね。



………ん?翔太?



翔太…いやいや、ないない。

翔太なんてありふれた名前!




「じ、じゃあ。涼月さん、あとはみんなに聞いてネッ」



女子達の騒ぎ声に逃げるように、

担任の若い女の先生は教室から出て行った。



ああ、大分と大変そうだなあ…。


ご愁傷様です、先生。