しかしあの痴漢ヤロー…

どこの会社のやつよ?


今更だけど、苛々して仕方なくなってきた。


筆箱の中に入っているはさみを

手に刺してやればよかったかしら……。



そんな物騒な事と、恨みつらみを

頭の中でブツブツと唱えていると、

イケメンは小さく笑った。


目には少しばかり、哀れみが写っている。



「ま、痴漢にあったらちゃんと叫べよ?」

「う…、はい」



そう言って、

あたしを助けてくれたイケメンは

次に来た急行電車に乗っていった。



あ…制服…

つか、同じ学校じゃん!!




ちょ、うちの学校、急行電車止まんないよ!

そこまで遠くないよ!

さ…………サボりかよ!



そんなことを思いながら学校に向かった。



朝から無駄に…体力消耗。