「大崎は優しいよ。
だって送ってくれるじゃん。
学校で寝てたときも待ってくれたし」
「……お前、鈍すぎ…」
呆れた顔を向ける大崎。
鈍いってなにが?
褒めたのに、返事が「鈍い」?
「にぶいってなにが…「そーいや、涼月ィィ!!」」
言葉の意味について聞こうと口を開いたら、
大崎の言葉によって妨げられる。
…どーしたの、大崎。
棒読みですよー…
語尾あがってるし。
テンパってる大崎はすぐに消え、
いつもの落ち付いた大崎に戻った。
「えと…大崎?」
「あ、別に……つか降りるぞ」
そう言ってあたしに手を差し出す大崎
「うん、ありがと」
その手をとって電車を降りた。



