結局私は 琉風のコトは何も知らなくて、 何もわからないまま、彼女って言葉で 安心していただけなのかもしれない。 「おいババア、もう帰れ」 「あら、居たの」 「早く帰れ」 その声はドスが利いたように低く、 「簡単に手、出さないでね」 挑発する琉風のお母さん。 これは家族なのか、 これが家族なのか、 家族を知らない私には 知るすべも無い。 琉風のお母さんはそれだけ言うと家を出た。