「ん‥‥」




あれ、私



また夢みてた‥‥。




全部思い出しちゃったじゃん。




忘れてたのに。




全部全部



忘れてたのに。






いま何時?



携帯のディスプレイの時刻はお昼過ぎ。



学校‥‥。




いまからでも行かなきゃ‥‥だね。




携帯を開けると1件の着信が目に留まる。




「琉風‥‥」




うれしいな‥



着信のボタンを押して掛け直す。




『はい』




「あ、琉風?‥‥私」




『知ってる。つか学校来いよ』




「ごめんね」




『は?別にいーけど』




琉風‥‥




「あのね。‥‥」




『ん?』




「電話、ありがとう」




『夏月が掛けてきてたじゃん』




琉風は知らないのか



有華と私の、こと。





「琉風」




『なに?』




「‥‥うん‥‥」




『は?お前おかしくね??』





「そう、かな。普通だよ」




有華に譲ったら

この声も聞けなくなっちゃうね。