宇宙side
 
「はぁ」

 ただいま数学の授業中。

「ねぇねぇ」

 ななめ後ろの席の友子がポンポンと肩を叩いてくる。

「今日、あんたは何回ため息ついてるのよ。
 ため息ばっかついてると、幸せが逃げるよ!っていうか
 もう逃げた後だったね♪」

 ムカッ!どうせもう逃げた後ですよ。

 はぁ…。

「あっ!また、ため息」

 だ、だってあんなに毎日楽しく由宇と過ごしてたのに…

 もう一緒にデートしたり、一緒にいることさえダメなのかな。

「あんたが由宇くんのこと好きだったことはわかるけど…」

「過ぎたことみたいに言わないでよ…」

 私は友子の相手をするのにつかれたので、
 授業中なのにもかかわらずしばらくボーッとしていた。

「キーンコーンカーンコーン」

 チャイムが鳴ると同時に私は教室を飛び出した。

 あぁ、危なかった…。もう少しでまた友子につかまる所だった。

「ドンッ」

 きゃ!いったあ。あっ、だれかにぶつかっちゃった!!

 どうしよぉ、でも行かなきゃ

「ぐっ!」

 く、くるしい。首がしまるぅー!!

「宇宙、大丈夫か?」

 もうっ、やだ。

 私ったらかばんをかけるフックにパーカーが引っかかってたんだ。

 恥ずかしい…。
 
「あ、ありがとう」

 振り返って微笑むと、そこには由宇がいた。

 って、えっ由宇?どーしよ…。逃げなきゃ!