宇宙side
私、天野川 宇宙〈あまのがわ そら〉。
そして隣にいるのが、月見里 由宇〈やまなし ゆう〉。
天野川中学校に通う二年生(私の父親はこの学校の校長です)
私と由宇はこの学校で知り合い、由宇と私は学校公認カップルになれた。
私は由宇と一緒にいられることが、うれしくて、うれしくて、舞い上がって
いた。
そのせいで由宇の気持ちを考えてなかったんだ。そして前日、
家の近くの公園に呼び出され、私が最もおそれていた言葉を由宇から
告げられた。
「宇宙、別れよう」
今まで舞い上がっていた私のハートはガラスのようにパリンっとくだけた。
「えっ…今な、なんて?」
瞳から涙がこぼれ落ちる。
「宇宙、ごめんっ!」
由宇は走っていってしまってるのに、
私は声を出せなかった。
せめて「待って」と言えば優しい由宇は
待ってくれたかもしれないのに…。
ふいに瞳が涙でにじんできて、私は泣きながら言った。
「私、由宇と一緒じゃないといやだよ」