[うっわー、美胡ちゃんだけ ひいきするとか、先生は美胡ちゃんが 好きなんかぁ?] 瞬間、教室にピシッとした空気が はりつめる。 少しでも触れてしまえば すぐ割れてしまう薄い氷の様な、 今の空気の中で 言葉を発するのはあまりにも危険だ。 [皆、冗談に決まってるやんかー。 本気にすんなって] 八城くんの ヘラヘラした笑顔に、教室が 元の空気を取り戻した。 とりあえず一安心だ。