ガン!! 半開きにされた鉄の扉を 殴る音が静かな空間に虚しく響く。 その音にビクリと震えたのは 美胡の肩。 [帰らないっていうんなら‥―] くいっと美胡のあごを持ち上げて その頬を撫でれば 冷たい感覚が俺の手を伝う。 唇を噛み締めて 見上げる強い意思をもった瞳に涙に 俺は、どうしても動けなかった。