「受け取ってほしいモノがあるんだよ。」
「何かな?」
「え、えっとね…。」
モジモジと少し顔を赤くしながら懐の内ポケットを漁る。
「私の気持ち…です!!」
「え?」
直樹はわけがわからなかった。誰だって同じ状況なら混乱するだろう。
直樹の額に銃(デザートイーグル)が押しつけられているのだ。
「(え?なぜ?なぜ俺は銃を押しつけられているんだ!?)」
直樹は必死に考え、彩華の言葉を思い返した。
私の気持ちです。
私の気持ち、です。
私の気持ち、デス。
私の気持ちは、デス。
私の気持ちは、Death。
「(Death!?死?俺に死ねと?だから銃弾を受け取れと!?)」
意味がわかり、大量の汗をダラダラと流す直樹。
「っ!?」
一気に教室を出て、直樹は走り出した。
「なぜだ!?なぜこんなことに〜!!」
……………………。
……………。
……。
そして今に至る。
「どうして逃げるの〜?」
彩華は悲しそうな顔をしているが、直樹には早く銃を撃ちたくてしょうがないトリガーハッピーのように見える。