12月27日。
はっきりしない意識の中、直樹はうっすらと目を開けると、冬の寒さを感じて意識が覚醒していく。
顔を横に向けると、ケータイのランプが点滅していることに気づく。
ケータイを開いてみると、彩華からメールが届いていた。
メールを見た直樹がクスッと笑う。
どうやら夜に騒ぐと、優華や真里香に怒られるので、直樹に部屋に来たらしい。運悪く優華が来たので、狸寝入りをしたそうだ。
「ん?」
メールはそれだけではなく、本文とは、かなり離れた下に『制服のままだったので、勝手に脱がしました』と書かれていた。
直樹が布団を上げると、自分が生まれたままの姿になっていることに、ようやく気がついた。
「うわぁぁっ!??」
驚きと衝撃で、完全に目が覚めた直樹だった。
【寮・中庭】
とりあえずジャージに着替えた直樹は自販機で牛乳を買って、中庭のベンチに座って飲んでいた。
いつもは静かな中庭だが、今日はなんだか人が多く、なぜか一カ所に集まっていた。
「なんだろ?」
牛乳を飲み終えた直樹は立ち上がり、人が集まっているところに行ってみることにした。
「さぁ、次の商品は、エアーボード!!これでアナタも空を飛ぼう!」
ワンピース姿の知佳が商売していた。