大量の布団がかぶさった状態で頭だけ出している蓮を見る。
「何してたかわかりませんが、お疲れさまです会長。」
「ん……………。」
スヤスヤと眠る蓮を起こさないように制服を着て、寝室を出た。
「やっといつもの日常に戻れるな。こーちゃん先生の言う通り、待っててよかったな。」
生徒会室を出ようとドアを開けようとしたとき、直樹の手が止まる。
「なんだろ?鉄…?なんか錆びたにおい……。」
周りを見渡しても、何も変わった物はなかった。
「気のせいか…。」
ドアを開けて直樹は出て行った。
直樹は気づかなかった。寝室の反対側の部屋の扉が少し開いてることに。
そして直樹には見えなかった。
蓮のではない大量の血がついた、脱ぎ捨てたられた衣服を…。